「特別寄稿 新生一橋植樹会10年」一橋植樹会 顧問 田中政彦

如水会報に「母校を思う」という寄稿欄がある。
2003年9月号に、新生植樹会のスタートにあたり、当時のキャンパスの状況と植樹会の改革について、「国立キャンパスの緑の杜を守ろう」と題して、植樹会常務理事として投稿した。掲載前の4月の段階で、大学関係者や植樹会の役員の皆さんにはあらかじめ原稿をお送りしたが残念ながら反応は薄かった。

新生植樹会の活動がようやく軌道に乗り出した2006年4月号で、「国立キャンパスの自然を教育現場として活用」と題して、教育や研究にキャンパスの自然を活用するよう植樹会会長代行として提言をした。昨年、植樹会の寄付講義として実現の運びとなった。

3回の寄稿はそれぞれ、往時の背景や問題点を述べているが、大学当局にお願いしていることが多くある。
10年前の荒廃の極致状況からみれば、テレビドラマのロケに使われるなど見違えるようにすっきりした部分もあるが、逆に、この10年間で老木・大木が朽ち果てて、建物に倒木の危険が迫っているような場所も散見される。

また、自慢のアカマツは老化により気息奄々で、ネコブセンチュウによる立ち枯れが加速する懸念が強い。「一橋の歌」の冒頭の歌詞 「武蔵野深き松風に・・・」が、歌えなくなるようなことにならないようにしたいものだ。一橋植樹会発足の5年前、増田四郎教授呼びかけの植樹会活動の原点ではないか。

「あるがままの自然を大切に・・・」という20年前の考え方では、キャンパスの緑は維持できない。メリハリを利かせた整備予算管理を大学に期待したい。

4月定例作業にて
4月定例作業にて