アカマツ基金 写真1

アカマツ基金設立の趣意

昭和初期、母校が一ツ橋の地から国立への移転時、当時の佐野善作学長は武蔵野に多く 残っていた雑木を払いアカマツを残し、更に東キャンパスに専門部が移転する際には、建 物を建てるに先立ってアカマツ 300 本を移植されたとの伝説が残っています。武蔵野の里 山を代表する樹木であったからでしょう。

その変遷を振り返りますと、昭和 40 年代初期には国立・小平キャンパス合わせて 2,000 本近くのアカマツがあったとの記述が見られます。 一方、大学としては米国からもたらされ長崎から全国に蔓延したマダラカミキリが媒介す るマツノザイセンチュウによる松枯れに対応するため、平成 4 年 2 月に国立 709 本、小平 80 本に対して 2 年間有効な活性剤を千数百万円かけて樹幹注入しました。 翻って、現在は国立 360 本、小平 23 本が確認されるのみですから、僅か半世紀の間に信じ られないほど多くのアカマツが母校キャンパスから消えていったかが分かります。

平成 24 年に大学は蔓延する松枯れ問題に対処するべく、200 本ほどのアカマツの古木に 対して、4 年間有効の薬剤樹幹注入を行いました。更に、平成 28 年度には 4 年が経過した 対象木 99 本を中心に 260 万円かけて 7 年間有効の薬剤注入を行いました。引き続き平成 29 年度に 260 万円かけて 101 本に注入を実施しました。

この結果を踏まえて、植樹会は大学と協議し平成 29 年度から平成 33 年度までの「樹幹 注入五ヵ年計画」を策定しました。対象アカマツは国立 360 本・小平 23 本の 383 本で、概 算費用は 760 万円になります。
既に、計画初年度の平成 29 年度では 101 本(260 万円)が実施済みですので、今後の必要 資金は 500 万円となります。
植樹会としましても、皆様からの年会費とご寄附から平成 28 年度 133 万円、平成 29 年 度 50 万円の大学に対する支援を実施しております。

しかしながら、大学はご案内のとおり、国立大学法人化以降文科省からの交付金が年々定 率で減額されており、財政的にも厳しい状況にあります。植樹会も昨年は入会される方よ り退会される方の方が多くなり、年会費収入も頭打ちで支援金の継続も困難な状況にあり ます。

このたび、今後 4 年間で必要となる資金 500 万円を目途として「アカマツ基金」を一橋 大学・如水会・一橋植樹会の三者共同プロジェクトとして立ち上げることを、5 月 19 日に行われた第 45 回一橋植樹会総会において宣言致しました。期間は 2 年間としております。

なお、既に本趣旨にご賛同頂いた如水会からは、先陣を切って今年 2 月に 200 万円のご 寄付を頂きました。この大半は 3 月実施済みの樹幹注入に充当しました。この場をお借り して御礼申しあげます。
一橋の歌にも「武蔵野深き松風に・・・」とうたわれております。是非とも母校を愛す る一橋大学卒業生・教職員・学生・関係者のご賛同を頂きたく御願い申しあげます。

以上、皆様のご理解とご支援を御願い申しあげます。

平成30年5月
一橋植樹会 会長 津田正道

アカマツ基金の現状

校歌にも歌われて、一橋大学のシンボルとも言うべき大学構内のアカマツはマツ枯れ病の蔓延の 結果大きく本数を減少させています。大学でも以前からアカマツの幹に対して薬剤の樹幹注入を施してまいりました。植樹会でも当初は一般予算から費用の一部を負担して協力して参りましたが、 マツ枯れ対策に本格的に取り組むとともに、失われたアカマツを補うための補植を積極的に行うため、アカマツ基金を設立して広く募金の呼び掛けを行っています。

2017年度に呼び水として如水会より200万円のご寄付を頂き、その後は幅広い層からの募金を頂 戴し、累計額は970万円を超えるまでになりました。2017年から5年計画で樹幹注入を 計画的に進めて来ましたが、グリンガードNEOという現在使用している薬剤の効果持続期間は7 年であり、以前に実施したアカマツに対して再度樹幹注入する必要が出てきています。2022年度から2回目の注入サイクルが始まっています。如水会から頂いた当初の200万円は優先的に使わせて頂き、アカマツ基金創設以来累計で465万円にのぼる金額を薬剤注入費並びにアカマツ補植費用として支出しています。既に5年計 画の中でアカマツ基金からは累計で465万円近くにのぼる金額を薬剤注入費並びにアカマツ補植費 用として支出しています。

現存するアカマツを継続的に樹幹注入することによって守るとともに、失われたアカマツを新た な苗木を植える事によって復活させる必要が有ります。マツ枯れ病を引き起こす「マツノザイセン チュウ」に対する抵抗力のある品種改良された「抵抗性アカマツ」の苗木も現在手に入るようになって来ており、今後は大学とよく相談して、適地に抵抗性アカマツの苗木を補植するように検討していきます。

アカマツの保全・再生事業は未来永劫続きます。アカマツ基金の募金も継続しておりますので引き続き宜しくお願い申し上げます。

アカマツ基金の現状報告

2023年総会報告より

アカマツ基金へのご寄付について

募金の中から 計画に沿ってアカマツへの薬剤樹幹注入費用を支出しておりますが、薬剤注入継続と今後アカマツの補植の為の資金募集の必要性は止む事がありません。引き続きアカマツ基金へのご支援をお願い申し上げます。なお、アカマツ基金は一橋大学後援会内の「植樹会基金」の中に設置されています。一橋大学基金とは別物なのでご注意願います。

基金設立の経緯と運営の現状報告 及びご寄附いただく際の手順は下記をご覧ください。

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