連休前、キャンパスのサクラの花はほとんど落ちていました。岸田ロードのイチヨウやカンザンなど遅咲きのサクラは終わりに近く、かわりに新緑が鮮やかになってきました。
木花はハナミズキ(ミズキ科)が満開です。ハナミズキは北アメリカ原産で、大正時代に東京市長がアメリカへサクラの苗木を贈った際に、その返礼として日本へ贈られた「日米親善の木」として有名です。違和感なく日本になじむ花を咲かせます。キャンパスでも一面に花を咲かせました。
キャンパスのあちこちにある草原を見ながら、ゆっくりと歩きましょう。小さな花が様々に咲いていますが、よく見ると意外と美しい花が多いのです。カラスノエンドウ(マメ科)はつる性の草で、春から初夏へ透き通ったようなピンクの花を咲かせています。
カキドオシ(シソ科)は日当たりのいいところに好んで生えるつる性の草です。花は意外に大きいが色調はおとなしく、見落としがちですが結構美しい。十分鑑賞に値します。
クヌギやコナラの下の草原にはキンラン(ラン科)、ギンラン(ラン科)が今年も咲いてくれました。かつて武蔵野の雑木林でよく見られましたが、今では絶滅が心配されています。毎年キンラン、ギンランの開花が見られるということは、キャンパスの緑が武蔵野の面影を強く残していることの証明になります。
キンランの草丈は50センチほどですが、行き交う人にあまり気づかれていないようです。花の形は典型的なランで、黄金色がきわめて貴重で、大事に見守りたい草です。
植樹会活動に参加する学生たちが管理する「くにたちのお花ばたけ」にはチューリップやパンジーが咲いていました。
花を絶やさないキャンパスの初夏。「植樹会の活動が実を結んできたなー」と実感します。