「植樹会作業への体験参加」亀井 康夫(昭44商)

1月初旬ゴルフの後の飲み会は、たまたま同期生3人の集まりとなった。日々の過ごし方の話題となり、五島君から植樹会活動に理事として参加している旨と活動内容の紹介があった。これまで如水会々報誌上で植樹会の文字は目にした記憶はあるものの、記事の中味までは読んだこともなく、恥ずかしながら有志の人達が集って大学の内外で植樹を行っている活動なのか位の認識しかしていなかった。

見当違いも甚だしく、五島君によれば、国立キャンパスの緑と景観は、東京の西地域における掛け替えのない自然遺産で、これを将来に渡って保全し、更に緑化を推進するための活動とのこと。このため環境整備に必要な年間活動計画を策定の上、毎月1回OB・学生・教職員が参加して計画に沿った順序だった作業を行っていると聞かされ感心する。

続けて五島君から、小生も参加してはどうかとのお誘いを受けた。馬鹿力を振り回すだけの下手くそなゴルフを見て、その体力を買われたのかもしれない。元来頭を使うよりは、無器用ながら身体を動かす方が好きな小生にとっては向いているかもと内心思う。同時に、両親の居なくなった実家を更地にした後、週を追って雑草が生茂る荒れ放題の状態となり、ご近所に迷惑を掛けてはと一昨年と昨年の2年間、鎌を片手に毎週のように草刈に出かけたことが思い出された。当初はイヤイヤ出向いていたが、労働の成果として目に見えてスッキリしていく様子に爽快感を覚えた記憶が蘇ってきた。そのせいか、酔ったせいか判然としないが、では一度体験参加させて貰うと思わず返事をしていた。

2月の半ば、五島君から17日が2月の活動日とのメールを頂戴し、出かけることにした。当日は幸い風もなく薄日の射す好天に恵まれた。職員集会所に13時半の集合であったが、初めてとあって余裕を見て出発し13時頃到着。既にかなりの方が集まって居られ、初対面に違いない小生に対し皆さん温かい挨拶をして下さる。入口に出席者の記入用紙があったので記名し、恐らく五島君の配慮であろう小生用の名札が置いてあったので着用させて貰う。見渡した所、小生より先輩と思われる方達ばかりなので自然と出入口近くに着席した。学生諸君が次々と入室してきて皆行儀よく壁際に立つ。

定刻の13時半に連絡会が始まり、諸々の連絡事項の伝達の後、初参加する小生をわざわざ皆さんに紹介して頂く。続いて本日の作業内容の説明と作業実施に必要な班編成というメインの議題に移ったが、驚く程スンナリと3つの班への人員配置が決められた。小生は一番多人数を要する本館前中庭及び図書館周りの清掃班に所属となった。

14時から作業開始。小生は熊手を手に図書館前の噴水周辺の清掃を担当する。遠目には全く分からなかったが、間近で見ると芝生の上には松葉が山積みとなっているし、松の根元には枯落葉がビッシリと堆積している。残念なことに煙草の吸殻と紙屑類の散乱も馬鹿にならない。

掃き集めた落葉の山がアッという間にニつ三つと築かれる。どうしたものかと思っていると女子学生の2人組が来て手際よくゴミ袋に収めてくれ、次にリヤカーを手にした男子学生がゴミ袋を幾つも積み込んで、廃棄処分場へと運んでいってくれる。

かなり真面目に取り組んで、やや腰に疲れを覚えた頃、折良く作業終了となる。丁度2時間を経過していた。随分きれいになったような気がする周囲を見渡しながら、職員集会所へ戻る。着替えの後、交流会と称する懇親会へ臨む。ビールが美味い。先輩方から気軽に声を掛けて頂く。

本日参加の感想は二つ。

現役学生諸君が、自分達のキャンパスを美しく維持しようと真面目に取り組む姿に感激した。自分が学生の折には、およそ考えもしなかったことであった。

諸先輩のお元気なご様子と、母校への思いを植樹会という活動を通じて体現されているお姿に、大いに刺激を受けた。小生もまだまだ老けこむ訳にはいかない。
以上の感想を胸に気持ち良く、17時過ぎ帰路に着いた。お蔭様で、その晩は早々と床につき、心地よい疲れのせいか久々に快眠を得たので、来月もきっと参加致します。

交流会での亀井さん