アカマツ
西キャンパスの正門を通り、時計台や兼松講堂を見渡すとき、必ず目に入る松があります。主要庭園ゾーンに生える3本のアカマツです。高さは20メートルほどあり、枝振りにバランスがとれ、見事な樹形です。剪定が施され、すっきりとした形になりました。遠景として時計台や兼松講堂を眺めると必ず手前に配される樹木です。キャンパスの印象にさりげなく添えられる重要なアカマツです。
1月中旬にクレーンも入り、手入れがありました。作業に当たったのはベテランの庭師で、慎重に作業が行われました。植木職人として活躍されてきた植樹会の三浦義樹さん(昭41年)によると、アカマツは女松と呼ばれ、剪定に弱く葉をどう残しながら手入れをするか、その「加減」が難しい樹種だそうです。
広いキャンパスに生えているアカマツは枝振りが伸びやかで、独特の樹形になります。うねりながらも上へ上へと伸び、高さ25mにもなります。時計台の正面近くにもアカマツが丈を伸ばし、高い幹は図書館の時計台と相性がよく、緑の葉と赤い幹が直線的な建築に調和しています。
キャンパスでは落葉樹が葉を落とすと、常緑樹のアカマツは俄然目立ってきます。「こんなにもアカマツがあったのか」と思うのです。冬枯れの景観の中で、重厚な建築物に緑を配し、寄り添う姿に親近感を感じます。
佐藤征男(記)
写真:施設課 坪谷英樹