春に舞う花…といえば?
春、3月。今月は、一橋大学にとって一つの節目となる月です。4月から国立で学ぶ新1年生の合格発表があり、その数週間後には社会に巣立つ4年生の卒業式がありました。今年は卒業記念植樹としてアカマツを植樹しましたが、「卒業」や「3月」と言えば「ウメ」を想起される方も多いのではないでしょうか。
ウメは古来より我が国の文学・芸術作品に幾度となく登場しており、現代においても日本人にとって親しみのある花であることは間違いないでしょう。しかし、同様の認識を持たれるサクラに比べれば、いささか影が薄いように感じてしまいます。私がとあるインターネット上のサービスを用いて調べたところ、歌詞や曲名にウメが登場する楽曲は約250曲、サクラが登場する楽曲は約4700曲と大きな差があります。卒業や別れを歌った「卒業ソング」にも、ウメではなく(卒業式シーズンの東京では開花前なのに)サクラが登場します。多くの日本人にウメとサクラのどちらが好みか聞けば、サクラと答える方が多いでしょうし、全国的にもウメよりサクラの樹のほうが多いのでしょう。
花のつき方や見栄えという観点から考えると、樹全体の印象ではサクラのほうが華やかに見えると思います。それがこういった人気の差に表れているのかもしれません。まだまだ薄学な私には正確な理由は分かりませんが、もし気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひ国立にお越しいただき、大学通りのサクラと兼松講堂前のウメ(そのついでに法人本部棟前に卒業記念植樹として植えたアカマツ)を見比べてはいかがでしょうか。