「緑のボランティア活動あれこれ」鎮目新一(昭35経)

鎮目新一(昭35経)

私は三年前に植樹会がスタートした事を知り、早速入会しました。 それ迄にも、やヽ似た様な緑化関連の幾つかのボランティア活動に携ってきた経験もあり、ここではこれらの諸活動を紹介させていただきます。

(一) 仕事の関係で十年強滞在した米国では、病院や図書館関係など、幾つかのボランティア に参加しましたが、一番性に合って長く続けたのは、山道造り(TRAIL BUILDERS)の作業でした。予算不足で動けない州政府に代わって、ハイキング好きの有志が、自分達の手で森の中でルート造りやコースの補修を行うものです。月三回、土曜日に二十人程の臨時道路工夫が集まります。土を削り、木を倒し、石垣を積んで、一日五十メートル強の道を造り、約三年で四キロほどのコースを完成させます。無償の力仕事に汗を流す参加者は、白人で、中流以下の人々が中心であり、アメリカ社会の健全さを支える草の根いまだ健在なりとの感を強くしました。

(二) 十余年前に早期退職をして帰国し、飛び込んだのが森林ボランティアでした。輸入品と の競合で日本の木材価格は低迷を続け、林業が経済的に成り立ち難くなり、山林が荒廃しました。 山の緑と環境を守ろうとする市民や学生の幾つもの団体が、週末、山に入り、草刈・間伐・枝打ち・地ごしらえ・植樹などに奮闘しています。たヾ、山奥の急斜面で電動機器を使って大木を間伐するのは、体力や技術も必要ですし、危険も伴います。小生は体力的限界から、十一年目に当たる昨年にこの種の山仕事から引退しました。

この他にも、(A)尾瀬や巻機山などで、観光客に荒らされた自然の復元や木道造り。(B)山や川の清掃。(C)車椅子の方々との合同登山など、様々な活動にも参加しましたが、紙数の関係で割愛します。

さて、我が一橋植樹会ですが、会を運営してきた方々の懸命の御努力により、三年前に十数名でスタートしたものが、今や時には百名を越す規模に迄成長しました。これだけの人々がキャンパスの清掃や美林化に汗を流すのはすばらしい事です。

自然を相手とする活動では、正に《継続は力なり》です。会の中心を、より若い世代の人々へと移しながら、末永く活動が継承されることを願っております。