「風に吹かれても」

記録的な猛暑となった夏も落ち着きを見せ、秋の気配が本格的に姿を見せ始めたこの頃、植樹会関係者の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。今月の寄稿文を担当させていただきます経済学部4年の石井信明と申します。

皆様ご存じのこととは思いますが、この夏は暑さとともに多くの災害にも見舞われた夏にもなりました。6月の大阪北部地震、7月上旬の西日本豪雨、上陸回数10回を超えた台風、そして今月上旬の北海道胆振東部地震…と、思わず目を背けたくなるような自然の脅威を多く目にする夏となりました。この場をお借りして、亡くなられた方々への心からのお悔やみと、被害に遭われた方々が1日も早く不安のない生活が送れるようお祈りを申し上げます。

この一連の災害・そこからの復興の中で様々な物事が話題となりましたが、私はその中でも「減災」という考え方が1つ印象に残りました。

「減災」とは被害を「防」ぐことを目的とするような印象を与えるのに対し、災害を完全に防ぐことは不可能でありある程度の被害は致し方ないという考え方のもと、被害を最小限に食い止めるための方策を考えようという考え方です。たとえば地震対策で言えば、倒れる危険性のある家具の固定・感電ブレーカーの設置・ハザードマップの作成などがこれにあたります。

ここで私は、些か強引かとは思いますが植樹会の活動にも「減災」につながるところがあるのではないかと考えるようになりました。緑の少ない土壌に新たに植物を植え、枯れてしまった植物や不安定になってしまった木を刈り取ることには、キャンパスの景観を守ることだけでなく暴風雨が起きた際の土壌の流出や、木々の倒壊による道の遮断などを防ぐ役割もあると考えています。大災害が続いたこの夏を通じ、キャンパスの景観を災害から守ることも植樹会の役割であると考えるようになりました。

登録有形文化財の建物や豊かな自然が生み出す美しいキャンパスが、災害に屈することなく今後も受け継がれることを願って、この寄稿文を締めさせていただきます。