カワセミ
カワセミ (ブッポウソウ目カワセミ科) 全長17cm 留鳥
最近、大学図書館の出入りに大学北側の通用門を利用しています。ご存じ無い方もいらっしゃるかと思いますが、経済研究所のそばを通り弓道場の脇の小さな門を出て、閑静な住宅地を抜けると富士見通りから国立駅に出ることができます。
図書館から通用門に至る道には、春にはキンラン・ギンラン、夏にはオオバギボウシやナンバンギセル、秋にはヤクシソウなどが咲き、アオゲラやひょうたん池から遠征してきたカルガモなどが見られ、束の間の自然観察が楽しめるのです。 7月末のある夕方、いつものように図書館を出て、うだるような暑さで朦朧としながら通用門に向かっていると、「チーッ!」という鋭い声がして勢いよく何かが視界をかすめて飛んで行きました。目に残るのは、日差しを受けて金属のようにギラリと光った青緑色。なんとカワセミでした。あいにく双眼鏡を持ち合わせていなかったため、きちんと姿を確認することはできず、まるで一瞬の幻に遭遇したような気分になりました。経済研究所の北側にある社会科学統計情報研究センターの入り口には小さなビオトープがあるため、そこの魚を狙ってやってきたのでしょうか。ごく小さな水場ですが、水辺の少ない学内では思った以上に多くの生物に利用されているようです。
学内には定期的に飛来している訳ではないのか、ひょうたん池でも時折しか見ることのできないカワセミですが、よくよく観察していると思いもよらない場所で出会えるかもしれません。
言語社会研究科博士後期課程 1年 中野晶子