「大学と国立市の架け橋に」学生理事 齊藤万純(経済学部4年)

○地域社会×ビジネス=ソーシャルビジネス

皆様は、「ソーシャルビジネス」という概念をご存じでしょうか、経済産業省HPによると、『地域社会における、環境保護、高齢者・障がい者の介護・福祉から、子育て支援、まちづくり、観光等の、多種多様な社会課題の解決に向けて、住民、NPO、企業など、様々な主体が協力しながらビジネスの手法を活用して取り組むのが、ソーシャルビジネス(SB)/コミュニティビジネス(CB)です。これにより、行政コストが削減されるだけでなく、地域における新たな起業や雇用の創出等を通じた地域活性化につなげることを目的としています。』と定義されています。今、「ソーシャル」≒地域社会、が非常にクローズアップされています。その数、約8000事業者、市場規模2400億円と、2008年経産省は推定しました。
なぜ、今、"ソーシャル"が注目されているか。それは、"地方崩壊"に象徴される、地域社会秩序の崩壊が顕著なると同時に、それをwin-winの関係でビジネスの力で解決する事例が現れ始めたことにあります。地方行政では救済できない、という絶望を埋め忘れるための唯一すがれる希望の光、という側面もあるでしょう。

○その風潮を受け一橋大学では

さてその世の中の風潮を受け、我らが一橋大学ではどうなっているのでしょうか。実は、十年程前から、商学部林教授の前期ゼミから事業に羽ばたいた団体が存在します。Pro-k、という団体です。こちらは、『学生まちづくらーの奇跡』という本として書籍化しています。実は、それだけではありません、去年から一橋祭でも積極的な地域連携が成されています。代表されるのが、国立のマスコットキャラクター「くににゃん」を、昨年の一橋祭でコンテストを行い、決定したことです。さらに、地域からの廃油を回収して、環境貢献にも役立てよう、という企画も行われています。
ここまでは、地域に対しての「学生の行動」でした。ここからは、「大学の行動」を書きたいと思います。2013年11月15日、大学が重い、重い腰をあげ、国立市と社会連携に関する協定を締結しました。国立に移転してからとても長い月日がたってようやく、のことでした。それもあってか、2013年冬学期から、商学部で『観光経営論』という科目が開講され、そのうち3回の中で『国立の観光振興をどう行うか』という課題に当てられていました。私もその科目を履修しているのですが、とても良い意見・プランが提出され、国立市としても市民の意見交換会に一橋大の学生を是非、というお話が出る程でした。

○ならば植樹会はどうあるべきか

もう、「大学だけが良くなればよい」という時代は終わりました。大学が根ざすのは地域、地域の良さ無くしては、大学の良さも出ないのではないか。研究・勉学の条件において、環境、ということは非常に大切なことです。それを考えれば、大学"内"の環境だけに目を向けるだけでは"足らない"時代が来始めているのかもしれません。植樹会にはまだまだ、果たすことのできる"社会的"役割、ソーシャルでの役割があるのではないか。それを果たされれば、存在が社会的に認知されることとなり、"一橋"という名に"尊さ"のようなものが付与されていくのではないか、と考えます。もし地域が、環境美化に関して課題を抱えているのであれば、少しばかりお手伝いする、ということも有用なのではないでしょうか。

以上