「カタクリの植樹にあたって」一橋祭運営委員会 古川 智子(法3年)

2010年7月16日の植樹会にて、カタクリの球根の植樹を行いました。場所は陸上競技場近くの池周辺です。いつもは雑草を抜いたり、葉を刈ったりすることが多い植樹会ですが、土に直接触れ、植物を植えたりするのは小学生時のヘチマ栽培以来だったので私自身とても新鮮な体験となりました。

カタクリはその名の通り片栗粉の原料となっていることで有名ですが、(もっとも、現在はほとんどジャガイモから作られているようです)意外にもとても可憐な薄紫の花を咲かせます。今回植樹したカタクリは新潟のもので、本学OBの樋浦さんにいただきました。ご厚意ありがとうございます。先輩によると、新潟のカタクリは紫の色合いが濃く美しいらしいです。

そして、そんなカタクリの球根はなんと保冷剤入りクーラーボックスで厳重に温度管理されて国立に運ばれてきました。カタクリは繊細な植物で、高温にも弱いようです。今回、キャンパス内に植樹するにあたって、実は場所はかなり吟味して選ばれています。日光が当たりすぎず、適度に涼しい土が良いところというと、キャンパス内ではかなり限定されるようです。さらに、夏の間に土中が温まるのを防ぐために、植えた個所の上に手入れのために刈り取ったアジサイの葉などを最後にのせました。

カタクリは3月頃に花を咲かせる植物で、「春を告げる花」としても知られています。これから半年以上土の中で休んだ後に、いくつかのカタクリが花開きます。いくつか、というのはカタクリは7~8年ほど土の中で休眠してからようやく花開くからです。今回、球根をひとつひとつ植えるとき、先輩が球根を見ただけで「これは来年咲くな」と分かってしまうことに驚きでした。やはり経験が違うと、目が変わってくるのでしょうか。先輩方の開花予想では来年でもかなりの数のカタクリが咲くそうです。

3月に咲く、ということでこれから半年以上先になりますが、長い目で見守っていきたいと思います。紫の花がこのキャンパスで見られる季節を心待ちにすると、植樹にも、お手入れにもより一層力が入ります。

以上