「キャンパス作業の優れもの、「刈払機」のお話」國持重明(昭35経)

2003年の7月に始まった植樹会のキャンパス作業は既に79回を数えました。安全第一主義、基本的には人海戦術を主軸とした作業が植樹会諸活動の核であり且つ華であることに昔も今も変りはありません。

今から4年ほど前に、かなり整備されてきたキャンパスを見て、限られた広さのキャンパス内ではやがてやる仕事が無くなるのでは、と心配した理論家もいましたが、心配ご無用、自然相手の農作業はいわばエンドレスです。一方、同じ頃、蟻のように這いつくばって綺麗にしても直ぐに伸びてくる雑草、例えば夏場の経済研究所裏のセイタカアワダチソウ刈、岸田ロード一帯の雑草、雑木伐採作業にもぐら叩きの悲を嘆く多くの参加者から、自前の刈払機(大学の施設課は既に2台所有していました)求める声があがったのは自然の成り行きでした。

新規にエンジン式刈払機2台の購入に当たり2006年の春、販売店の担当者による取扱講習会がありました。私事ですが、その頃腰痛、膝痛を発症し、悲しいかな中腰で鎌や鋏を使う作業がとてもきつくなっていましたので講習会には数人の仲間と共に勇んで参加しました。講習会で学んだことはこの機械使用にあたってはいかに細心の注意が必要であるかということでした。物理的には保護眼鏡や各種必着防具の説明がありました。回転刃が左回転の場合は左へ振るときに草を刈り、右へ戻すときには刈るな、など若干の技術的アドバイスも受けました。

保護メガネ・防具をつけての作業

草や小径木を刈払うために便利なこの機械はヘッドに超硬度合金回転刃を取り付ければ太さ1CMを超える灌木でも楽に切ることが出来るそうですが、危険度が高く初心者は勿論、偶にしか使わない一般人には不適です。事実、数ある農業機械の中でも刈払機による事故はかなり多いそうです。非常に高速で回る刃に跳ね上げられた小石の類が眼に当たると失明の危険が伴います。また近くにいる作業者を傷つけること、誤作動で障害物にあたり運転者自身がキックバック(反動)で倒されることもあるようです。安全重視の植樹会では、回転刃を避け当初から回転部分にナイロン紐を使った一般向けのタイプに限定しております。対象物を刈るのではなく鞭で引っぱたく原理で払い落とすのです。このために草刈機ではなくて刈払機(Brushcutter)と呼称されるのでしょう。 これでも平地での雑草、下草刈には十分です。技術的にいうと径が太くて、ナイロン紐では手に負えない対象物を予め手鋸で切ってから刈払機を使えばよりスムーズに作業が進行し、申し分ありません。

刈払機を使い始めてから、作業効率は飛躍的に上がりました。短時間で広いエリアを綺麗にすることができるので、その達成感は何ともいえません。また、同じ場所をリピート作業する間隔が狭まるため次の作業内容も簡単になります。無理をしなくなるので自然に安全度も高まります。刈払機は正に作業における優れものです。エンジン音が授業の邪魔をするとのクレームを受けたこともありましたが、原則月に一回、数時間の作業で、仕事場が見違えるほど綺麗になるのですから少し大目見て欲しいものです。

一口に植樹会のキャンパス作業といっても内容は雑多です。順不同ですが、小径雑木の伐採、下草刈、芝刈、芝生の雑草駆除、縁石の雑草駆除、小枝の剪定、蔓草とり、落葉掃き、ゴミ除去・拾い(粗大ゴミ・放置自転車・立看板・ビン缶類)などです。この他に、会としての定例植樹作業、先輩諸氏の記念植樹の手入れもあります。以上でお気づきのように機械に適さない人手頼りの作業も目白押しで仕事のネタは尽きません。

又これら作業を支える植樹会所有の道具類としては現在リヤカー 2台、刈払機4台(内、2台は会員有志よりのご寄贈品)、刈込鋏22丁、手鋸 10本、草刈鎌93丁(大鎌 4丁、普通鎌 68丁、長柄の鎌21丁)、除草用小鎌10丁、高枝切鋏2本、竹箒 25本、通い袋 4、作業用ヘルメット4、ハンディ拡声器2などがあります。この他、大学施設課のご好意で鍬類、リヤカー2台、刈払機2台、芝刈機1台、プラスチック製塵取り、熊手、スコップ(大・小)類並びに滑車類を適宜使わせていただいています。作業も大変ですが、次回に備えての道具類の洗浄、点検、手入れ、整理整頓も大仕事です。陰で支えてくれている大学施設課の皆さん、作業班の皆さんの地味な仕事にはいつも感謝しています。

リヤカー満載の道具類