【定例作業】2018年06月15日(金)第185回 定例作業 実施報告

平成30年6月15日(金)13:00~15:00

天候:雨

山口久基(昭49法)

本格的な梅雨に入り、雨が止まず、東キャンパス本館前のイロハモミジ枯損木の伐採と収穫期を迎えた西キャンパスお花畑のジャガイモ収穫を植樹会会員と学生の一部で実施した以外、他の作業は全て中止となった。今回は、作業に代わり、筒井教授の特別講義が実施された。先生の専門は生物(生き物)、植樹会では植物について学ぶ機会が多いが、今回は人間の五感のうち視覚(見ること)について学んだ。要旨は以下のとおり。

1、目のしくみと構造

(1)色の識別
人間の眼で見ることの出来る光(可視光)は400~800ナノメーター(nm)で、その範囲で、青、緑、赤の色を識別している。

(2)視細胞の役割
網膜にある視細胞は、外部から入ってきた光の情報を、電気信号に変えて、脳へ送られていく情報変換装置である。視細胞には薄暗いところで働く「捍体細胞」と明るいところで働く「錐体細胞」の2種類があり、明るいところでは、錐体細胞のみが働いて色を認識しているが、薄暗くなると捍体細胞のみが働いて明暗を認識している。夕暮れどきなどは、その両方の細胞が働いている。夜は色の識別が出来ないので、幽霊を見たとしてもその色はわからないはずである。(幽霊の正体見たり枯れ尾花)

2、目のしくみの実験

試料を使って、以下の実験を行なった。

(1)盲点を確認する実験~片目で、+と●の2つの図形を、顔を近づけてながら見ていくと、あるポイントで●が消える(そこに盲点がある)

(2)カニッツアの錯視図形~錯視図形では、実際に書かれていない△や□の図形が見える

(脳が補完して形を作っている)映画やアニメは、24枚/秒の静止画像の集まり、その間を脳が補完して、なめらかな動きを作り出す。

(3)視野の外から色を確認する実験~耳の横(視野の外)から物体を近づけても、物体の色はぼんやりとしかわからない(視野の外からきたものは色はわからない)

3、脳の働き

(1)脳の補完能力
脳はものの動き(位置・空間)と形・色を補完する。
対象物→眼で見る→視床→視覚野→動き(位置・空間)と形・色を認識→運動野(運動連合野、前頭連合野)へ前頭連合野は記憶→比較→判断する大事な場所(ワーキングメモリー)である。

(2)記憶のしくみ
記憶は、脳の海馬で短期記憶し、睡眠中に大脳物質で長期記憶する。(睡眠が大事)

4、ワーキングメモリーの重要性

(1)ワーキングメモリーの役割
入力選択(多くの情報のうち、認知活動に必要な情報を選択)→プランニング(行動を計画)→短期記憶(一時的に必要な情報を貯蔵)

(2)成績とワーキングメモリーの関係
成績とIQが相関し、IQとワーキングメモリーが相関することから、成績とワーキングメモリーも相関する。よって、ワーキングメモリーを鍛えると成績が上がる。

(3)ワーキングメモリーの鍛え方
・レシピを見て覚えたあと、レシピを見ないで料理を作る。
・語学はワーキングメモリーを鍛える。
・ワーキングメモリーは年齢と共に低下するので、鍛えることが大事。

講義のまとめ

・見たもの(脳が作り出したもの)を信用しない。
・寝ないと成績が上がらない。

講義は専門的な内容で、OBの私も久しぶりに頭をフル回転させた1時間半でした。特に、学生気分に戻って取り組んだ目のしくみの実験と、年齢と共に低下するワーキングメモリーを鍛えることが大事との話が印象に残りました。

教員(1名)   
筒井泉雄(教授)   
    
職員(2名)   
久保田隆(施設課)越川洋明(施設課) 
   
<一般29名>   
国持重明(昭35経)岸田加代(昭35家)北川修司(昭38商)葛西恒平(昭39社)
鈴木徹郎(昭39社)長谷川輝夫(昭39社)八藤南洋(昭40商)関戸康男(昭40社)
津田正道(昭42商)徳永興亜(昭42商)福島清彦(昭42経)高原正靖(昭42社)
湯川敏雄(昭42社)高場恭幸(昭43経)大池 明(昭44商)五島康晴(昭44経)
柳原和道(昭44社)樋浦憲次(昭45経)谷中健治(昭45社)川崎勝晤(昭46経)
小槙達男(昭46法)大川宏明(昭47経)河村 進(昭49経)小山 修(昭49法)
山口久基(昭49法)飯塚義則(昭50経)木田隆平(昭50社)地田伸久(昭52法)
善宝俊文(昭53法) 
    
<団体参加者5名>  
(41年植樹会サークル5名)   
栗田克彦(商)夏目恭宏(商)村川守中(商)水野健吉(経)
樋口文夫(法)  
   
<学生66名>  (参加者総数103名)