梅雨散策
職員集会所近くの保健センターの横道から、バナナエッセンスのような香りがかすかにしました。たどると、別館西側に生えるカラタネオガタマの木がありました。オガタマと同じモクレン科の木で中国原産の小高木です。香りが濃く、神秘的な雰囲気が漂っています。香りの源は花びらを紅色で縁どった黄白色の花々でした。キャンパス片隅での密やかな出会いがありました
![カラタネオガタマ](https://hitotsubashi-shokujukai.jp/wp-content/uploads/2023/01/03_big3.jpg)
![バナナの甘い香りがする](https://hitotsubashi-shokujukai.jp/wp-content/uploads/2023/01/04_big1-3.jpg)
ひょうたん池から西へ、小径を散策すると、ガクアジサイが迎えてくれます。曇りの空でも雨の日でも、アジサイの花色は鮮やかです。その先は、今から40年前まで哲学の教鞭を執られていた太田可夫先生が、官舎と大学を通う道すがら、思索に耽った場所といわれる通称「哲学サークル」。緑が濃くなった落葉樹に囲まれています。
![](https://hitotsubashi-shokujukai.jp/wp-content/uploads/2023/01/05_big1-3.jpg)
陸上競技場の南側にある第一ススキノゾーンでは、早くも秋の七草の一つ、キキョウが咲き始めました。キキョウはと秋を代表する草花ですが、栽培品種のキキョウのほとんどが、早咲きの種になってしまい、梅雨時の花になってしまいました。
第二ススキノゾーンではナデシコの花が咲いています。こちらもキキョウのように早咲きの品種だったのでしょう。原種のカワラナデシコは可憐だが強い日本古来の花です。日本女性に喩えられてきました。 植樹会恒例のイベント、「秋の七草鑑賞会」が、今から楽しみです 。
![キキョウ](https://hitotsubashi-shokujukai.jp/wp-content/uploads/2023/01/06_big1-2.jpg)
![カワラナデシコ](https://hitotsubashi-shokujukai.jp/wp-content/uploads/2023/01/07_big1-2.jpg)
第二ススキノゾーンからさらに歩くと、雑木林でよく見かける大きなキノコが目立ちます。キャンパスの自然度はなかなかのものです。テッポウユリも見かけました。本来の野生種は九州以南に自生しますが、最近は広く栽培されるようになりました。大柄の花は梅雨のこの時期、貴重な存在です。
![見かけた大きなキノコ](https://hitotsubashi-shokujukai.jp/wp-content/uploads/2023/01/08_big1-1.jpg)
![テッポウユリ](https://hitotsubashi-shokujukai.jp/wp-content/uploads/2023/01/09_big1-1.jpg)
キャンパスは春から初夏への「百花繚乱」は姿を消し、しっとりした佇まいです。心をゆったりと保ち歩いてみれば、意外な梅雨の彩りに出会え、四季の豊かさを味わえます。
佐藤征男(記)
写真:施設課 坪谷英樹