カルガモ
カルガモ (ガンカモ目ガンカモ科) 全長60.5㎝ 留鳥
5月の植樹会の作業に参加なさった方々からビッグニュースを頂きました。硬式野球場の西側の土手でカルガモが卵を温めていたというのです。卵は9個あったそうで、作業に参加なさった方々は親鳥を驚かさないように巣の周りでの作業を中止したとのことでした。ただ、その後幾度か見に行ったのですが、親鳥の姿も卵もなく今年の繁殖はどうやら失敗のようです。残念でなりません。カルガモは10個以上もの卵を産みますが、そのうち成鳥にまで育つのは1割以下だといいます。大抵がカラスやネコにやられてしまうのだそうです。大学内にもそのようなカルガモの天敵が多くいるので、繁殖は厳しくならざるを得ないのかもしれません。
一番身近なカモといえばカルガモを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はカルガモはカモのなかでは変り種です。日本ではカモの大半は冬鳥ですが、カルガモは留鳥です。夏場に見られるカモのほとんどはこの鳥だと思って構いません。さらに、カモ類は雌雄で色彩が異なり、雄は特徴のある美しい色で雌は褐色の地味な色をしているのが普通ですが、カルガモは雌雄同色で褐色をしています。地味な色彩ながらも、翼を広げたときに見える翼鏡とよばれる金属光沢のあるブルーの羽には、美しさにはっとさせられます。
学内ではひょうたん池でよくカルガモの姿を見かけます。以前は図書館前の池によくいたのですが、植樹会の作業でひょうたん池周辺を整備し、今まで隠れて見えなかった池の存在に気付いたためか、その後はひょうたん池がお気に入りのようです。つがいでいることが多く、水面に嘴をつけて泳ぎながら餌とりをしたり、池の中の岩の上でカメと一緒に日光浴をしたりしています。いつか、たくさんのヒナを連れたカルガモの姿をひょうたん池で見たいものです。
法学部3年 中野晶子