2025年 年頭のご挨拶

一橋植樹会会長 飯塚義則(昭50経)

新年おめでとうございます。如水会々員の皆様におかれましては、気分も新たに新年を迎えられたことと存じます。皆様の一橋植樹会への日頃からの温かいご支援とご協力に深く感謝し、お礼申しあげます。
さて、昨年はコロナ禍から解放され、殆どそれに縛られることなく活動できた年でした。定例作業、学生達との共同作業、植樹会員有志による日常的な草刈りや樹木の剪定作業などを通じて、気候変動により想像をはるかに超えて生長する草木類とも戦いながら、母校のキャンパスの緑の保全と環境整備を進めて参りました。大学との対話にも努め、その「環境報告書2024」にも植樹会の活動が学生達の活動も含め紹介されています。とても光栄なことと思います。一方、このような日常的な活動に加え、学内の幹回り2メートルを超える大径木の調査や毎年実施する要管理木調査等により、学内の緑の状態を把握するための実地調査を行いました。そこで得られた結果は今後の学内の緑の保全や環境整備計画に反映させていく所存です。
母校のキャンパスの広大な緑地は、国立市内はもとより、都市空間の中にあって無二の貴重な存在として、多くの先人達が手を入れることにより保全されてきました。この点を踏まえ、中長期的視点に立ち、キャンパス内の樹木の老齢化や外来植物の急速な侵入などの問題に関して、植物の生活サイクルなどについての科学的知見に基づく現実に即応した活動を進めてまいりたいと考えております。
今年は「一橋大学国立キャンパス緑地基本計画」の10年毎のレビューの年となります。過去数年間にわたる要管理木調査や大径木調査の結果も参考にしつつ、気候変動要因に伴う植生の遷移などを考慮したキャンパスの緑の将来像を描いていかなければなりません。そのために、大学と深度ある検討を進めていく所存です。
直面する課題は少なくありません。目先の活動である日常的な環境整備作業を推進する一方、老齢化するアカマツやサクラ、そして多くのコナラの枯損と、キャンパス内の樹木の円滑な世代交代ヘの対応も緑地基本計画のレビューにあわせて考えなければなりません。また、近年の就業年齢の高齢化に伴い減少傾向にある一橋植樹会のボランティア活動への参加者数は、将来の活動に影響する喫緊の課題として取り組んでいく必要があります。
一橋植樹会は様々な課題や環境変化と向き合いながら活動しております。是非とも皆様のお力添えのもと、大学とも率直な意見交換と協力を図りながら、将来を見据えつつ一歩一歩前進をしてまいりたいと考えております。多くの方々の私達の活動へのご支援とご参加をお願いし、年頭の挨拶とさせていただきます。