追悼文「田中政彦君を偲ぶ」 杉山 守様(昭35経)

杉山 守(昭35経)

(左から標、田中政彦、高橋、杉山)
(左から標、田中政彦、高橋、杉山)

「やあ~ 政彦君!」と呼ぶと「お~ マモちゃんか!」と天国から返事が返ってくるような気がする。 7月16日、由美子夫人からの電話で君の突然の訃報を知り、驚きと悲しみにくれた。 大腸がんを患っていることは知っていたが、今年の4月に馬場ゼミの仲間の会合に参加していたと聞いていたので、まさか亡くなったとは俄かには信じられなかった。 君の逝去は痛恨の極みである。 淋しい!
今、そちらで君は先に逝った植樹会の岸田君、国持君と酒を呑み、Pクラスの高橋君、標君、清水君と麻雀をやっているのかな?

君と初めて会ったのは31年入学・ドイツ語のPクラスだったなぁ。 良い仲間と共に学び、語り、よく、呑んだものだ。 夏休みには君はPクラスの仲間と4人で北海道栗山の田舎の私の実家に遊びに来てくれたね。 またその仲間と千葉市誉田の君の実家にお邪魔し、徹夜で麻雀をした。夜中にご母堂が差し入れてくれた銀シャリのおにぎりの美味しかったこと、忘れられない思い出だ。 まさに青春だった! 

学生時代、君が吉祥寺の武藤家に下宿していた折、同じく下宿していた高橋君や私を始め皆ガールフレンドがいたのに君だけ居なかったのを可哀そうに思った武藤夫人が知り合いの娘さんを紹介した。 それが由美子夫人で、その当時夫人は国立音大付属高校の2年生!だったんだ。 君は由美子さんに恋をして誉田の実家からボストンバッグにトウモロコシを入れたり、くちなしの花を一杯入れたりして度々由美子さん宅を
訪れたそうだ。 そうして8年間の交際の末、恋が実りめでたくゴールインした。 
由美子さんが結婚を決めた理由は「彼がイナカッペで真面目だったこと」だったそうだ。 
良い話だ! 純情で一途なところは君らしいね。

夫妻でハーモニカとソプラノの演奏
夫妻でハーモニカとソプラノの演奏

君がハーモニカの名手であることは承知だが、平成27年(2015年)の一橋大学卒業55周年記念大会では君がハーモニカ、国立音大卒の夫人がピアノ、同じく国立音大卒の娘さんのソプラノの3人で特別ファミリーコンサートを開いてもらい大好評であったことは印象深い。  その後も度々Pクラス会では夫妻でハーモニカとソプラノの演奏をしてもらい、皆楽しんで聴き、共に歌ったりしたものだ。

趣味も豊富でガーデニングはプロ級でその技術と情熱は新生植樹会で遺憾なく発揮して植樹会の発展に貢献したと思う。 ゴルフは余り上手くなかったが良くPクラスの仲間と遊んだものだ。  ゼミの仲間ともよくゴルフもしたとPクラスの立川君から聞いている。 お陰で楽しかった学生時代と卒業後の充実した生活を送れた。
君との交友に感謝する。 有難う!

君の人柄は温厚で真面目で控えめなジェントルマンであり読書家で勉強家でもあった。  ゼミナールは馬場啓之助ゼミで経済学を学んだ。  就職先は伝統あるチッソ(株)で労務担当をしたが、水俣病問題では苦労があったと思うが君は余り話さなかった。 
でもチッソでの企業体験や関係会社の社長の経験と読書での豊富な知識を生かし退職後「日本人固有の組織観~偏差値ヒエラルキーとムラ社会の病理」を執筆・出版した。  現代の日本の政治、社会、企業の組織にメスを入れた力作で君の英知が注がれており、君が理論家で勉強家であることを良く示している。 流石だ!

Pクラスの入学時の50名のうち既に26名が鬼籍に入っており淋しさ一入である。
何れ私もそちらに行くよ。 再会したら「長煙遠く」を歌いながら一緒に呑もう! 
それ迄そちらで元気でな!  政彦君さようなら!        合掌