「平成25年の作業を振り返って」作業班 湯川敏雄(42社)

今年は、植樹会創立から40年、そして自ら作業を行う植樹会へと方針を転換して10年の節目となる年でした。その記念すべき年の作業を顧みるに、定例作業の目的として「植樹」を挙げ、業者任せでなく自分たちで実施したことを特筆したいと思います。周知の通り、緑地基本計画のレビューの過程で、キャンパスの緑を構成する樹木が部分的に弱ってきていることが判明し、世代交代を積極的に図るべきだとの指摘がなされています。10月度の休日作業では、この対応のひとつとして東キャンパスのマ-キュリータワー東側にて、枯損したサクラやツルにより変形したコナラなどを伐採し、武蔵野の雑木林を意図した樹種としてヤマザクラ、コナラ、クヌギを選定し、樹高約3mの苗13本の植樹を行いました。
ここ何年か、植樹会の作業の主流は植栽などの手入れや雑草の除去、清掃であり、きれいなキャンパスづくりに一定の貢献をしてきたと自負しています。その基本はこれからも変わることはないものの、加えて今回は将来を見据えての植樹作業を行いました。これは大げさに言えば100年の森づくりの階段の二段目に足をかけた一歩といえるのではないでしょうか。あくまでも大学の計画に従ってではありますが、一定のエリアでの除伐と植樹は、次の10年の活動の柱になりうるテーマであると考えます。
教条的なことはさておいて、10月の作業を例にとって、今年の作業全体を振り返って所感を記してみたいと思います。
まず最初に10月は大変な雨の中での作業でした。通常であれば中止するほどの降り方でしたが、苗や道具の手配も済み、植穴も掘ってしまったことから順延することができずに作業を強行することにしました。そして同様に今年は雨に祟られた1年でした。2月、6月、11月、12月と13回の作業のうち4回も降雨のため作業を取りやめました。誰のせいでもなくめぐりあわせが悪いだけですが、今までの植樹会の歴史にはない年といえるでしょう。
次に、雨の日曜日にも拘わらず、10月は140名を超える人が集まりました。今年も年間の作業参加者は延べ1,200名を超すことになります。特に学生諸君の参加が定量的に見込めるようになっており、人手を使って行わなければならない作業にとっては極めて強力な武器になっています。同時に一方ではキャンパスの環境やボランティア活動に関心を持つ学生がこれだけ多くいることを大事に考えたいものです。

三番目に、今回の植樹に当たっては、地拵えの臨時作業を行いました。草を刈り、空き缶やビニール屑を片付け、クズの根を掘り、植穴を掘るまでの作業に3日間をかけました。臨時の作業としては、このほかに刈り払い機の扱いを得意とする人に岸田ロード、哲学の道、ホッケー場隣接地などの作業をお願いしています。月1回の作業では手の回らないところ、時期に合わせて手を入れなければいけないところ(たとえばツツジの花後の剪定)などがありますので、定例作業以外の作業についても考える必要が生じてきます。それと道具の管理の問題もあります。使いっぱなしでは刃が切れなくなるのは当たり前。施設課に全面的に依存しているのが現状ですが、機械を含めて良好な状態で一定の数量を常に確保しておきたいものです。これらは来年以降の課題です。なお、学生理事を中心に文科系サークルとして植樹会活動を組織化する動きが進行中と聞いています。具体的な活動方針は未詳ですが、大いに期待したいものです。

四番目に10月度の集合場所には佐野書院を使わせていただきました。今年は保健センターの改修工事の影響で職員集会所が利用できなくなったため、集合場所がその都度変更になったりしました。ただ後半になって大学教育研究開発センターのご協力をえられることとなり、作業後の交流会は東キャフェテリアという流れができました。筒井先生はじめ同センターのスタッフの方々にはお礼を申し上げます。

終わりに、この1年、作業に参加し、あるいは支援をいただいた多くの方々にお礼を申し上げます。おかげさまで大きな事故もなく無事に終えることができました。来年も今年同様安全第一にやりがいのある作業を目指していきたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。