「「今月の野鳥」連載30回を迎えて」言語社会研究科修士課程1年 中野晶子
言語社会研究科修士課程1年 中野晶子
植樹会ホームページに毎月連載している「今月の野鳥」が2004年4月の連載開始から30回目を迎えたことを聞き、もうそんなに回を重ねたのかと驚きました。この連載の話を持ちかけられたのは、大学2年の冬のことでした。故岸田会長や田中さんのご発案で新生植樹会が発足したばかりで、会のあり方や内外への呼びかけの方法も模索状態、まだ知名度の低かった頃です。広報のためにホームページを作成することが決まり、そのコンテンツの相談の場で、「大学にたくさんの鳥がいることを多くの人に知ってもらいたいので紹介文を書いてもらいたい」と言われました。
毎月1種類の鳥を取り上げて内容も字数も好きなようにしてよい、できれば鳥のイラストか写真がほしい、というお話でした。絵は苦手なので勘弁していただけないかと申し上げましたが、文章だけではわかりにくく、かといって鳥の写真を写せる機材も技術もなく、さらにはこれ以前に『一橋』という雑誌にイラスト入りの文章を寄稿して既に恥をさらしていたこともあって、イラストも手がけることになりました。高校時代の美術の成績を考えると、自分の描いたものを人前にさらすなどできるはずもないのですが、「どうせ、そんなに見る人もいないだろう」と考えて引き受けてしまったのです。その連載を掲載するホームページも閲覧回数25000回を越え、これほど多くの方に恥をさらし続けてきたのかと思うと、妙な感慨があります。
連載のお話を受けた当初、期限については何も定めていませんでした。当時、学内で確認していた鳥の種類が30種あまりであったため、「2年以上続けられるね」と言われたことを覚えています。しかし、その頃はまだ自らの進路も、法曹志望というだけで何年大学にいるかの見通しも立っていませんでした。その後、大学4年の終わりに進路の大転換を果たし、幸か不幸か、思いも寄らなかった方向の研究で現在もこの大学に残ることができ、連載も3年目を迎えることになりました。
この連載を続ける中で、多くの方からご感想や励ましのお言葉をいただき、大変ありがたく思っております。この連載に目を通してくださる方々や、ご協力いただいている植樹会の皆様に、この場をお借りしてお礼を申し上げます。今後も、大学に残る限りはこの連載を続けていきたいと思っております。