雨はやまず降り続けていました。時計台前の池のスイレンが今年も咲いていました。「雨の中、ご苦労さん」と声を掛けました。
西プラザ横の庭園ゾーン端にアメリカノウゼンカズラの花が咲いています。梅雨時に咲くつる性の樹木で、生命力が旺盛な印象を受けます。
陸上競技場南側のゾーンを歩きました。植物はこの時期、生命活動が活発な時期を迎えているのか、びっしりと草が地表を覆っています。朽木からはキノコがよく生えています。
ひょうたん池近くの哲学の道をあるくと、ガクアジサイが目に入ってきました。霧雨の中、落ち着いた佇まいです。今年もたくさんの花を咲かせています。
ガクアジサイの一つに見える花は、よく見ると花のかたまり(集まり)であることがわかります。目立つ花、装飾花が外周に一列に並んでいます。その様を額縁に例え、「額紫陽花」の名があります。
額縁の内側には小さな両性花がたくさん咲いています。装飾花は宣伝に徹して虫を呼び、両性花がうまく実を結ぶのを助けています。両生花をよく見てみます。オシベは10個。花柱は3個ありました。大きい装飾花に虫の目を惹いてもらい、小さい両性花は密度を高くして虫の1回の訪問でなるべく多くの花を受粉させようというわけです。
西キャンパスの中央の庭園ゾーンに戻ってきました。片隅にセイヨウアジサイが咲いていました。このアジサイはヨーロッパに持ち込まれガクアジサイが、装飾花だけの花の集まりに品種改良されたものです。本家の日本で、アジサイというとこの「セイヨウアジサイ」のことを指すことが多く、普及しています。青色がなんともいえぬ情緒を醸し出しています。
「梅雨に咲く花は梅雨に咲くから美しい。」そんなことを思いながら、相変わらず紗を掛けたようなキャンパスの風景を後にしました。