野の花 百花繚乱
陸上競技場南側にある第一ススキ野ゾーンではススキ(イネ科ススキ属)が開花時期を迎えていました。「ススキ」の名の由来は「すくすく立つ木(草)」という由来があります。2メートルちかくまですくすくと茎を伸しました。
今年のススキはなかなか風情があり、植樹会のふだんの手入れが実った感じです。月見の宴が楽しみです。
ススキ野ゾーンには、もちろん萩も咲いていました。マルバハギ(マメ科ハギ属)です。秋の七草の主役である萩は古くから清楚な姿が愛されてきました。萩の花は西洋人が好むような華やかさはありません。ところが日本人は古来、萩に深い思い入れがあります。
秋風は涼しくなりぬ馬並(な)めていざ野に行くかな芽子が花見に (万葉集 巻10・2103)
万葉の時代は「萩」は「芽子」とも書き、「花見」というと「萩の花見」だったのです。
ススキ野ゾーンの端にキバナコスモス(キク科コスモス属)が鮮やかに咲いていました。花期は夏ですが、秋になっても咲いている品種のようです。黄色い花はいわゆるコスモスのイメージとはかなり距離感がありますが、やはり咲いている様は美しい。
あまり知られていない、しかもよく見ると美しい草花も咲いています。一部を紹介しましょう。まずはカラスノマゴ(シナノキ科カラスノゴマ属)です。岸田ロードの道端に黄色い花が咲いていました。花は横から下向きに咲いています。妙な名はその種子をカラスが食べるゴマにたとえたといいます。
キツネノマゴ(キツネノマゴ科キツネノマゴ属)です。秋の草原を歩けばまず見られるほど多い秋の草花です。花は穂状に多数つき、長く咲き続けます。花をよく見つめると桃色の唇形花で可愛くもきれいな花です。
イヌゴマ(シソ科イヌゴマ属)もよく見ると美しい花です。茎の先に淡紅色の唇形花を数段輪生させます。キツネノマゴ同様に唇形花で、下唇には赤い斑紋があります。
変わりものキクのなかまヤブタバコ(キク科ヤブタバコ)も地味に花を咲かせていました。色々な花が観られるキャンパスの秋です。
是非この時期、秋空の下のキャンパスを訪ねてください。秋の野の花が百花繚乱です。その折りはルーペをお忘れなく。