「植樹会新歓山菜天ぷらパーティー」に寄せて / 山本 華代(社会学部3年)

私はこれまで植樹会の作業に数回参加させていただいたことがありましたが、今回の「植樹会新歓山菜天ぷらパーティー」は本当に新鮮なもので、驚きの連続でした。先輩方にはパーティーの始終、大変楽しませていただきました。誠にありがとうございました。今回は「寄稿文」という形で、先輩方へのお礼を述べさせていただくと共に、植樹会の魅力をより多くの方に伝えることができましたら幸いです。

まず、私が受けました数多くの驚きと感動の中でも、最初にして最大のものは「キャンパスで採った山菜を食べる」という行為そのものについてでした。一橋大学の緑の多さは普段から意識しておりましたが、いつも目にしている植物たちが食べられるものとは到底考えておりませんでした。という訳で、大きな驚きと一抹の不安を抱えながら、植樹会に向かうこととなりました。

私は今回、キャンパスを掃除したり、植物を採集したり、ということはせず、主に料理のお手伝いをさせていただきました。次々と運び込まれる植物の量に唖然としながら、土などの汚れを一枚ずつ水で洗い流し、油が跳ねないように水分をふき取るという、簡単ではありますが、調理に欠かすことのできない重要な作業を担当させていただきました。そこで二つ目の驚きと感動に出会ったのです。それは、植物、葉の美しさでした。都会育ちで植物音痴である私は、キャンパスに生えている植物たちの本当の美しさを見過ごして毎日を送っていたことに気付きました。私が特に美しいと感じたのは、鮮やかな緑を身に纏った紅葉です。紅葉といえば、その名の通り「紅」色の「葉」で大変美しい秋を代表する植物とされがちですが、晩春の紅葉の葉は、目にしみるような鮮やか色であり、とても柔らかで瑞瑞しい感触を持っておりました。その緑の美しさを目にすることはあっても、手に取って葉の生命力を感じるということは、なかなか体験することはないでしょう。そのような貴重な経験をさせていただいたことに、大変嬉しく思います。

そして最後、三つ目の驚きが、できあがった天ぷらがお皿から消えていくスピードです。何皿にも渡って高く盛られていた、葉の天ぷら、掻き揚げ、おひたしなどの料理が次々と、参加されていた方々の胃の中に消えていく様は、見ていて大変すがすがしいものでした。私も天ぷらのおいしさに何度も箸を伸ばしてしまい、少々つまむ程度でとどめる予定が、食べ過ぎてしまいました。召し上がってくださった方々の嬉しそうな顔に私自身も嬉しくなりました。

今回の植樹会でおそらく他の学生よりも、私が深く学ばせて頂いたことは、料理をしてくださっていた方々の温かさです。「みなさんほんとによくお召し上がりになるから」と言って、どことなく嬉しそうな顔で天ぷらの準備をしてくださった方々の手際の良さ、機転のきかせ方には、ついつい作業の手をとめて、見惚れてしまうほどのものでした。そうした方々がいらっしゃったからこそ、この「植樹会新歓山菜天ぷらパーティー」が成功したのだと思います。本当にありがとうございました。加代さん、良子さん、件の花嫁修業の手ほどきの程、どうぞよろしくお願いいたします。

植物を選定したり、落ち葉を清掃したりという植樹会の活動は、一般の学生からすると、ともすれば目に映らない、意識されない「裏方」的な活動になってしまうのかもしれません。ですが、今回の素敵なシェフたちのように裏方がいないと、パーティーの楽しみが減ってしまうように、私たちのキャンパスも美しさを半減させてしまうことでしょう。私は御縁ありまして、これから学生理事として植樹会に関わらせていただくこととなりました。及ばずながら、学生たちと先輩方の架け橋となれるように努めてまいりたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

キャンパンスの緑を守り、育て、整える植樹会が、これを機に、今後なお一層のご発展、ご躍進されますことを心よりお祈り申し上げます。