「古墳のようなキャンパス」会学部3年生 大西伶奈

大学通りやキャンパスの木々の青葉が美しい季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。今年度より植樹会学生理事を務めます、社会学部三年の大西伶奈と申します。

突然ですが、私は五月が一年を通して最も好きです。青い空と草木の緑のコントラストが綺麗ですし、過ごしやすい気温と爽やかな天気が続くので、外を歩くだけでなんだか気分が上がってきます。

それにしても、一橋大学はなんて緑が多いのでしょうか。西キャンパスを歩いたとき、常に視界の五割程度が緑色であることに気づいてしまいました。今私がこの寄稿文の原稿を書いている図書館の大閲覧室からも、空の水色と木々の緑色が六対四の割合で見えています。また、一橋大学周辺を空から撮影した写真を見ると、緑で囲まれたキャンパスが街から浮き上がって見え、さながら市街地に取り残された古墳のようです。東京にありながらこのような景観を持つ一橋大学は、とても特殊な存在だと思います。

しかし、国立キャンパスは単に緑が多いだけではありません。古く趣のある建物と木々の緑が美しく調和していること、これがキャンパスの大きな特徴ではないでしょうか。兼松講堂、西本館、図書館、旧守衛所、東本館…これらの建物は周りの木々と馴染みながら、しかしそれらに埋もれることなく趣深い景観を成していると感じます。私が特に好きなのは東本館です。人類学の授業でしか建物の中に入ったことはありませんが、そのとき見た蔦だらけの中庭がとても印象的でした。その次に好きなのは旧守衛所でしょうか。深い森の中にちょこんと建っているとんがり屋根のメルヘンな建物がたまりません。

思えば、私が一橋大学を志した理由もこのキャンパスでした。高校二年生のときに訪れた一橋祭や三年生の夏に参加したオープンキャンパス、それらで見た景色や穏やかな雰囲気に強く惹かれ、まじめにしてこなかった受験勉強に必死に励むことになりました。自分の部屋の勉強机には大学のパンフレットを置き、そこに載っている美しい建物の写真を見てモチベーションを上げていたことも覚えています。

しかしいざ入学すると片道二時間の通学に嫌気がさし、今では「なんでこんな辺鄙な所にある大学に来てしまったんだろう」などと愚痴を言う大学生になってしまいました。あの頃のピュアな気持ちを取り戻さなければ、と思いつつ時計を見ると19時。今日も晩御飯は21時かぁ…と絶望しています。