「今年も植樹会休日作業に参加して」田所 亮子(昭63経)

一橋植樹会という名前は何度か見かけた記憶がありますが、卒業生も植樹作業に参加できると知って会員に申し込んだのが3年くらい前だと思います。母校環境保全への貢献はもちろん、植樹作業がわたしにとってダイエットにもなるかな。。。。と期待したのです。残念ながら作業は学校の道具を借りたりする都合上週日実施とのことでした。そのため会社休日の土日でないため私は作業には参加したことがありませんでした。

ところが去年から学校側のご理解のもと休日作業が開始され、今年も開催されることになったので去年に続いて参加しました。

当日10月8日(土)は晴れて空高く日差しがあり、気温も屋外作業にちょうどよいくらいで天候に恵まれました。職員集会所に集合して、久々にお会いする方々にご挨拶をしてから、女性用に割り当てられた部屋で着替えをしました。「○○部 昭和56年卒業記念」などと書かれた鏡や、アンティークな電灯と窓のデザイン装飾に気を取られながら、「危険 床が抜けます」という部屋の隅の床の置き紙にも出くわしました。国立キャンパスの緑の中でも時間を感じるものに出会えそうでした。

今回は生協棟西側一帯をいくつかの地域ごとにメンバーを分けて作業を行いました。私の班は木の下草雑草を刈りとってリヤカーで運び、そのあと生協食堂西側の円形根囲いのある欅(けやき)の木の根元の周りにつつじを植える作業をしました。つつじの個数からどのくらいの距離間隔で植えるか見当つけて、シャベルで穴を掘って根元に土をかけました。時々大きな石や竹の根にシャベルが当たるので、まずはそれらを取り除いて、また掘ってゆく、ということもありました。作業をするそばで運動部が練習や試合をしていたり、屋外テーブルにはご近所と思えるご家族連れが談笑していたり、何かの勉強会と思われるグループもいたりしました。いかにも国立キャンパスののどかな風景をバックに心地よい運動をしたような植樹作業でした。熱心に一時間ほど働くと雑然としていたあたりが目に見えて整然とし、結果がはっきり現れて大変やりがいがありました。某先輩によると月例の作業は2時間くらい時間をかけてやっていて、1時間なんて軟弱なもんではないそうですが。。。確かに、リタイアした世代の諸先輩方が大して疲れる様子も見せずに力仕事を続けておられるのでその体力に感心しておりました。。。

作業のあと、顧問の福島先生のガイドでキャンパスツアーとして緑の様子を歩いてみてまわりました。国立キャンパスには都内でも珍しい昔の武蔵野の木立の残る場所であること、海外の草木がはびこっているので日本古来の種を守りたいこと、木が成長して高くなればよいというものでなく木陰が増えすぎても丈の低い種の妨げになるので切らなければならないこと、などのお話しが印象に残りました。またお恥ずかしながら卒業して初めて見るキャンパスの緑もあり、森林浴の快適さも十分に味わいました。

作業中や懇親会では、この植樹会に入ってから草木の勉強をされたという先輩に樹木のお話を伺って興味深かったです。また懇親会の唱歌の後で一年生が「この歌は何ですか?」と尋ねて応援部の上級生が「長煙遠くだよ」と教える様子はほほえましかったです。

一橋大学で学ぶあるいは学んだ人々の絆は、キャンパスの豊かな緑の背景なしには築かれようがなかったように思います。来年もぜひ休日作業を実施していただければ幸いです。微力ながらも昭和48年創立の歴史ある植樹会のお手伝いをさせていただきます。