「第63期一橋フォーラム21「環境」 」竹澤京介(平7経)

竹澤京介(平7経)

第63期の一橋フォーラムにエントリーしました。今回は「環境」がテーマなので、マジメに出席したいと考えております。というのも、在学時の私の卒論のテーマが、環境とりわけ森林と日本の林業についてだったものですから、今でも関心はあるし、森林/林業以外のテーマについて最近の動向を聞いてみたい、という気持ちがありました。今回のフォーラムのテーマが「環境」に決まったいきさつは、前植樹会会長代行の田中先輩が発端と聞いています。またあのレスターブラウン氏を一橋大名誉博士として招聘するにあたり児玉谷先生がコーディネートされたとお聞きしています。そんなこんなで企画が進み始まったフォーラムだそうですので、楽しみにしてました。

9月19日が開講日。如水会館の2階のオリオンルームに大学の教室風に机が並べられ、第1回目、児玉谷史朗先生の講義を受講しました。講義を克明に再現なんてとてもとてもできませんが、講義の前半は、全体を概観できるような講義内容です。今回のフォーラムは全10講を通しての大きな特色は、「理系」の講義をかなり揃えた、ということだそうです。一橋は社会科学のcollegeですから、この機会に是非理科系の知識にも目を向けて欲しい、というのがコンセプトのひとつ、とのこと。壮大なテーマとしては、第8講「現代天文学が迫る地球環境への意識変革」、東工大出身の自動車会社元社長の方が講義をされる第4講のテーマは、「水と生命の世紀に相応しい自動車の進化」、そして、最終講は我らが一橋植樹会のリーダーであられる福嶋司先生(東京農工大)の「環境としてのブナ林」です。確かに理科系ご出身の講師陣でちょっとついていけるのどうかが心配。

児玉谷先生の講義ではスライドをたくさん見せていただきました。印象に残っているのが、オゾンホールの進展(悪化)のスライドです。数十年前と大きさがえらく異なっていて、「え、そんなに!!」とつぶやいてしまいました。後半は、児玉谷先生のご専門の「アフリカ」の環境問題でした。キリマンジャロ山の雪が年々減少している、チャド湖が年々小さくなっている、などショッキングなスライドが続きます。日本に住んでいて、しかも都内で勤めていると、正直、気象の異変は感じられても、環境そのものの激変については全く目に入ってきません。リオの環境会議の後も、どんどん環境劣化が、特に、アフリカでは、進んでしまったんですね。。今後グローバリゼーションが進めば進む程、アフリカにかかる負の負荷は、増大せざるを得ない、一体どうしたらいいんでしょうか。ただ、講義の最後のほうで、希望を感じるテーマがふたつほど。ひとつはアフリカの森林について。世界の森林は毎年730万ヘクタール消失しているんですね。その原因のうち大きいものが、焼き畑や薪(燃料)の採取によるもので、森林破壊は焼き畑をする農民のよるものだ、という認識で私はいたんです。ところがFairhead&Leach両氏の共著による研究書によると、アフリカの森林が(面ではなくて)点在の状態にあるのは、随分昔から変わっていないそうです(気象条件のせいでしょうか?)。つまりは、農民がその状態を保ちながら上手に自然とつきあってきた歴史があって、森林がなくならないで済んでる(所もある)ということが研究の結果、分かったそうです。今後さらに研究が進んで、そういう自然の利用の仕方をシェアできるとよいですね。

次に、環境活動におけるアフリカ女性の活躍です。講義の最後に紹介された書物がアフリカの環境保全のNGO活動をされてる女性が著者で、題名は、”The Green Belt”。アフリカでは、女性が仕事として薪集めや水くみをしているから環境の変化に敏感で、そのため、活動の中心的役割を女性が担う、そうです。女性ならではの感覚を活かされて活躍されてるんですね。ポイントは、日常的に自然とおつきあいがあるという点、でしょう。私個人の印象としては、日本では、残念ながら、「自然が遠くに行ってしまった」感があります。(人の自然に対する)気持ちも遠いし、(利便性の高い”自然”がどんどん宅地などに置き換えられて視界から消えて)物理的にも遠くなってしまった、そんな感じでしょうか。関東平野にいると、まわりに山も見えないので、その感が強いです。自然が”遠く”なると、自然のおかげで生活ができてるってあたりまえのことが、なんか頭の中から吹っ飛んでしまったまま日常生活が進んでいってしまう、そんな気がしています。

自分ひとりで何ができるわけではないですが、受験の時に習った英熟語を無理矢理使うなら、”keep in touch with 自然”、を日常心がけたいな、と改めて思いました。今回のフォーラムで、自然科学系の知識も食わず嫌いせずに耳学問して、自然について、知らないことをちょっとでも知りたいな、と思いました。