寄附講義:「緑の科学」2023年度受講感想文
私は幼い頃から生物図鑑や生き物の番組が好きで、自然に対する大きな関心がありました。花の名前を覚えながら家族とよく散歩していたのを覚えています。しかし大学入学後は専攻分野の勉強に手一杯になり、緑を感じ触れ合う機会が自ずと減っていきました。そんなある日シラバスにて「緑の科学」に辿り着きました。キャンパスのフィールドワークや自然にまつわる講義を受けられることにワクワクして、また緑に触れたいと思い、受講させていただきました。
授業内では座学だけでなく、フィールドワークも行いました。はじめに行ったキャンパス・ツアーでは、一橋のキャンパス内の自然を見て回りました。その際、植樹会の方々が引率してくださり、一橋大学の植生について解説や、それぞれの花や木にまつわるエピソードを話してくださりました。この日は、暖かい春の陽気に包まれて、サクラが美しく咲いていました。特に印象的だったのはフゲンゾウという花です。キャンパス内にたくさんあり、ピンク色がキャンパスをかわいらしく彩っていました。森は思っていたよりも広大で、一本一本の木に植樹会の方々の愛と歴史が詰まっていると感じました。この実習を通して、自然豊かな一橋大学がより好きになりました。
野外実習では、高すぎる枝葉を適切な高さにする灌木の剪定を行いました。先生方はとても辛抱強く私たちに数種類の剪定道具の使い方を教えて下さりました。手袋と帽子をきちんとかぶって、けがをしないようにしてくださいと注意がありました。道具は、よく見るハサミだと思っていたのですが、大きいものは半メートルもあり、太い枝を扱うための大きなノコギリもありました。グループを分け、それぞれの担当区域を決めてから作業に入りました。人生で初めての枝の剪定が目新しく、最初のうちは短くなりすぎるのではないかと不安でなかなか自由に剪定できませんでしたが、徐々に自信がついてきて、慣れてきました。一番大きなハサミを使うときに苦労したのですが、それを見た先生がやってきて、ハサミの上下が逆になっているから大変だと丁寧に指導して下さりました。やはり指導に従って直していくと剪定が楽になりました。この授業を通して、剪定とは何かを知り、様々な剪定道具の使い方も学ぶことができました。何より実習がとても楽しかったので、大切な思い出になりました。
実習も講義も、全てが新しい発見に溢れていて、好奇心が刺激されてとても楽しかったです。「緑」を、歴史や美術、生物や防災などの様々な観点、そして視覚や聴覚、触覚などの様々な方法で触れることができる貴重な時間でした。自然に触れることによって生活に彩が与えられることを実感しました。このような機会を与えてくださった藤元先生をはじめとする講師の方々、そして植樹会の方々に心より感謝申し上げます。
一橋大学
法学部3年 青山瑠泉
商学部3年 辰上優衣
法学部3年交換留学生Guorui Cao