「作業班卒業にあたって」湯川 敏雄(昭42社)

私が植樹会の作業に参加するようになって約7年になる。参加し始めて1年も経たずに作業班に誘われ、その1年後にはたまたま志田先輩のあとを受けて作業班長を拝命することになった。この3月に作業班を卒業するにあたり、作業班6年生の所感を記したい。

植樹会の作業はすで140回を超えるが、私が作業班長として作業の指揮を取ってきた回数は約60回位になる。何よりもこの間大きな事故もなく無事に終えられたことをまず喜びたい。よく「安全第一」と口にするが、実際に作業に熱中してしまうと、周りの様子が目に入らなくなったり、無理な作業をしてしまうことが多いものだ。その意味では幸運だったともいえるが、作業を終えて夕暮れのキャンパスを後にするときは「今日も無事に終わった。」といつも心の底からほっとする。無事で終わるのが当たり前であるからこの感じはなかなか理解してもらえないが、これからも安全に対する意識は研ぎ澄ませておく必要がある。
この6年間は、作業参加者が順調に増加してきて、作業の内容や成果も確実に向上してきた。作業も交流会も一定のパターンができて、運営する側も非常に楽になってきている。これら向上、発展の要因としては、諸先輩の熱意は当然ながら、学生諸君の参加増と取り組み方の変化によるところも大である。「お喋りばっかりで手が動いていない」と学生を叱る言葉が聞かれたのも昔話になりつつある。素人の集団ではあるが、綺麗にしようと手を入れれば必ずその答えが出てくるものだ。そして年間1000名を超える動員力は特筆されてよい。除草や清掃をするボランティア団体でこれだけの人を動員できる団体はそう多くない。植樹会自身が成長する段階で作業班に居られたこと自体が第二の幸運だと思う。
作業に関しては、機械の利用について触れておく必要がある。特に刈払い機を使うようになったことにより、作業の範囲、作業面積、更には作業の出来映えも飛躍的に向上した。作業内容の充実に機械が寄与するところは大きい。機械によってそこそこの実績をあげられたことが第三の幸運といえよう。ただ、機械である以上常に人や物を傷つける恐れがある。より一層注意深い運用がこれからも求められるし、最終的に出来映えを決めるのはホーキやクマデでの最後の後始末、つまり人手であることを忘れてはならない。
最後になるが大学施設課、特に伊藤さんには毎月毎月大変にお世話になった。福嶋先生からは極めて肌理の細かいご指導を頂いたし、筒井先生にも温かく接していただいた。交流会を丸投げにするなど作業班のメンバーの皆さんにもいろいろ面倒なことをお願いした。その他多くの方々のサポートをいただいたおかげでこの6年間があることを思い、感謝の意を表したい。そしてこれら多くの方々の知遇を得られたことが自分にとっては間違いなく第一にして最大の幸運である。

以上