冬に変わる緑の風景
ヒマラヤスギの伐採作業の実施にあたって、2台のクレーン車が使用されましたが、アカマツの剪定作業にもクレーン車が利用されています。松の剪定はたいへん難しいようで、切りすぎると枯れることもあります。武蔵野の面影を伝えるアカマツは本キャンパスのシンボルツリーです。樹木の活動がほとんど休眠状態の時期、熟練した園芸師がバランスのとれた形を維持するため、慎重に作業を行っていました。
2月8日、9日に行われたヒマラヤスギの伐採は、大規模な作業となり、本館横の風景が大きく変わりました。長い間見慣れた風景がなくなるのは残念な気がします。しかし8本のヒマラヤスギは枝と枝が交差し、互いに日を遮り、樹勢が弱っていたと推定できます。その結果、強風時、幹が折れたり、大きな枝が落ちたりすることがありました。また、ヒマラヤスギは防火用に役に立たず、燃えやすいとの指摘もあります。
今回切られたヒマラヤスギの樹齢は何歳なのでしょうか。切断面の写真を拡大し、年輪を数えてみたら、数えにくい年輪がありましたが、100を超えていました。つまり樹齢はおよそ100年と言うことになります。
今回根は抜根されませんでした。根はかなり深く伸びていて、除去するのは大変な作業となります。土壌に埋め、しばらくは自然の腐食に任せるとのことです。定例作業日に作業の様子を見ると、そのための作業が行われていました。残された地上部の幹はさらに切り出され、根が地中に残ります。
こうして、道幅は広くなり、すっきりした様相となりました。それでも、ここに樹齢100年を超えるヒマラヤスギが、並木をつくっていたことは記憶に留めたいと思いました。
佐藤征男(記)